武道場貸与事業

漱玉館について

公益財団法人伊藤青少年育成奨学会で武道場を作りました。道場の向いに滝を模した水の風景があり、滝から水が落ちしずく散るさまを「漱玉」というということで、人間を育て磨く意味もこめて、「漱玉館」としました。

戦国の世が終わり、江戸の泰平のなかで、武道は戦いの技術から形而上的なものへと変化したように思われます。精神の鍛練、修養に軸足が移り、道場の造りや意味も五感にこころよいものへの指向が強まったようです。

当道場も能舞台にならい、道場の床下に甕十個を、口を上にして納めてあります。そうすることによって、足踏みをしたときの響きが良いと言われています。またその厚さ45ミリの杉の床板はしなり、素足の稽古をむねとする武道にとって足腰の負担が軽くなるよう作られています。

建物規模は、建設用地約5,200平方mに、鉄骨造平屋建、床面積770平方m。剣道競技場施設基準に準拠する剣道競技場を2面（1面11×11m）設ける他、師範控室、更衣室、シャワー室、トイレ等の施設を完備しています。

武道を修めることによって、精神が晴れやかになり生き方が腑に落ちるというような、良き日本のこころをたずねるために、剣道、薙刀から禅までひろく漱玉館をお使いくださるようお願いいたします。

公益財団法人伊藤青少年育成奨学会
理事長 田代久美子